理学療法士による勤労者のための腰痛対策 ②職業性腰痛を対策・予防する意義
(2020年11月 9日 17:10)
こんにちは!
北星病院 理学療法士の澤野です。

本日は職業性腰痛を対策・予防をする意義についてです。

①50%を超える労働者が腰痛がありながら仕事をしている!?
約106万人の労働者を調査した報告では、83%の方は労働中に一度は腰痛を感じたと報告し、
その内の59%は現在も腰痛がありながら一生懸命労働しているというデータがあります。
また、2割弱の方は4日前後の欠勤をするくらいの腰痛があるという結果があります。

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②職業性腰痛が及ぼす影響はどのようなものなのか?
職業性腰痛は労働中の腰痛のみではなく、

・生活の質(自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているのか)を低下させる
・職業性腰痛の遷延、慢性化に伴う、医療費の増加
・労働生産性(労働者1人あたり、企業全体が生み出す成果)が低下する
・職業性腰痛による失業や欠勤

に影響してしまいます。
各個人の生活へ影響を及ぼすだけでなく、腰痛の増強や慢性化に伴い、
企業全体へも影響を及ぼす可能性があります。そのため、職業性腰痛への対策や予防はとても重要と考えます。

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③労働衛生の3管理
労働者における職業性腰痛への対策として
1.健康管理
2.作業管理
3.作業環境管理
の3つを基に対策をしていきます。
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1.健康管理は、心身状態が健康であるのかということです。作業を行うにあたり、
必要な身体の可動域や筋力、持久力があるのか、また、精神的ストレスにより腰痛を
引き起こしやすくなる可能性もありますので、心身共に健康であるのかということを考えていきます。



2.作業管理は、作業方法は腰に負担がかかっていないか、運搬する物品の重量はどのくらいか、
同一姿勢で長時間作業になっていないか、定期的に姿勢を変えることができているか、
作業前・中・後に運動、体操はできているのか、作業に関して考えます。



3.作業環境管理は、作業中の環境面が整っているのかです。
足場が不安定でないか、作業場の温度は適温か、
暗すぎないか、狭くないかなどを考えていきます。


では実際に次回からこの3管理に関して詳しく投稿していきますね。

実際に講習会や作業方法改善に対するご質問ご要望などがある企業様がおりましたら一度ご連絡ください。

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北星病院 リハビリテーション科