北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中 R3.No.30.

(2022年2月 9日 18:10)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

朝練です。

先週の続きで鼠蹊部(そけいぶ)・恥骨部の痛み・機能不全について行いました。
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普段の生活での動作、特に歩行やランニングでは
身体をひねる動きがあります。(正常)

更にスポーツでの動作では身体全体で強いひねりがかかることがあるので
体幹や股関節の可動域が不足していると、他の部分、
鼠蹊部、恥骨部への負荷が強まることがあります。
そのため、体幹部や股関節など恥骨部に近い関節の柔軟性も保っておかなければ
なりません。

本日は股関節柔軟性改善のために骨盤部についている筋肉の
触診、ストレッチの練習を行いました。
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次回も頑張ります!
腰痛(疾患概要・リハビリでの予後)

(2022年2月 7日 18:08)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回のテーマは『腰痛』です。

腰痛は原因がはっきりしている『特異的腰痛』と
画像診断や検査をしても原因が特定しづらい『非特異的腰痛』に分かれます。

ぎっくり腰や筋・筋膜性腰痛(一般的な腰のはりや痛み)も非特異的腰痛に
入ります。

非特異的腰痛の臨床経過を観察したものでは
最初の3ヶ月で33%の患者様の症状が改善したが
1年後では65%の患者様に腰痛が残存していると報告されています。

リハビリでは運動療法(筋トレ、ストレッチ、有酸素運動など)
物理療法(器具を使用しての温め、電気刺激など)や生活指導(腰に負担がかかる日常生活を考える)
などを合わせて症状の改善を図っていきます。

最近の研究では慢性的な腰痛には、腰背部の
レジスタンストレーニング(徐々に負荷を上げていく俗に言う筋トレ)
が疼痛の改善に有効と報告されています。
一般的なエクササイズと比較すると
運動継続期間が長くなればなるほど痛みの軽減に
差が出てくると言われています。(6~8週以上)

ちなみにこの研究での腰背部の筋トレとしては
デッドリフト、ブリッジ、レッグプレスなどの
お尻の筋肉や太ももの後の筋肉がメインになります。

また、腰回りの筋力が増加してくるのも
16週以上で通常の運動と比較して
効果に差が出てくると言われています。

慢性的に痛みがある状態からは
中々、抜け出せないですが地道に運動を実施していくことも
必要になります。

気になる方は是非、ご相談ください!

参考文献
①理学療法ガイドライン第2版 医学書院 2021
②Nicholas Tataryn Posterior-Chain Resistance Training Compared to General Exercise and Walking Programmes for the Treatment of Chronic Low Back Pain in the General Population: A Systematic Review and Meta-Analysis Tataryn et al. Sports Medicine - Open (2021) 7:17
北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中 R3.No.29.

(2022年2月 7日 15:30)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

朝練です。

テーマは『鼠蹊部・恥骨部の痛み・機能不全』です。
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オンラインで勉強会に参加したスタッフが伝達を実施してくれました!

鼠蹊部(そけいぶ)が痛いという人は近年右肩上がりと
なっています。
特にサッカーをやっている人に発症しやすいと言われています。

恥骨部に何らかのストレスが加わることで痛みが
出ることが症状の一つと言われています。

急な方向転換やサッカーでの強くボールを蹴る際には
大きな力が加わるので注意が必要です。

治療としては鼠蹊部、恥骨部に負担がかからないように
全身のどこの機能が落ちているかをチェックしていきます。

本日は体幹部に絞って検査の練習を行いました。
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次回も頑張ります!!
変形性膝関節症(疾患概要・リハビリでの予後)

(2022年2月 5日 18:07)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回のテーマは『変形性膝関節症』です。

変形性膝関節症とは…
膝関節の関節の軟骨(関節軟骨・軟骨下骨)が徐々に
退行変性(加齢とともに変化すること)していく疾患です。

主な症状として運動時の膝関節の痛み、歩行や起立の障害と
関節自体の変形があります。

90%が肥満、30%がうつ、15%が糖尿病を伴っていると言われています。

リハビリでは主に膝周囲の筋力強化、柔軟性改善、装具の検討(医師の指示)
減量のための有酸素運動などを行っていきます。

軽度の変形の方であればエアロバイクなどで毎週2回、1回につき40~60分
12週間継続することで歩行時の膝関節の痛み、こわばり、日常生活動作の向上に
有効とされています。(Amanda J. 2012)

有酸素運動だけではなく、当院で過去に行われた研究からは
膝の内旋運動(O脚を改善するための運動)を実施することで
歩行時痛や起立時痛の改善が見られたことを報告しています。

痛みを改善するためにはその人にあった運動を
しっかりと正確に実施することが大事になります。
気になる方はご相談ください!

参考文献
①理学療法ガイドライン第2版 医学書院 2021
②Amanda J. Salacinski, PhD The Effects of Group Cycling on Gait and Pain-Related Disability in Individuals With Mild-to-Moderate Knee Osteoarthritis: A Randomized Controlled Trial Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy
Published Online:December 1, 2012Volume42Issue12Pages985-995
③小川 内側型変形性膝関節症に対する下腿内旋エクササイズを含む運動療法・徒手療法が症状及び身体機能に及ぼす即時効果:準ランダム化比較試験 北海道理学療法 2018
腰部脊柱管狭窄症(疾患概要・リハビリでの予後)

(2022年2月 4日 15:28)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

疾患解説シリーズやっていきます。
どんな疾患なのか?
リハビリでの介入の影響はどのくらいなのか?
ガイドラインや文献をもとに解説していこうと思います!

まずは疾患の概要からです。
腰椎において神経組織と血管のスペースが減少することに
より、腰痛はなくてもよいが、殿部や下肢痛がみられる症候群と定義しています。
(North American Spine Society診療ガイドライン)

症状としては
下肢の痺れ、間欠性跛行(歩き出すと徐々に脚に痛みが出現し身体を前にかがめると軽快する症状)
などがあります。(日本脊椎脊髄病学会)

経過として自然経過、保存療法、リハビリの影響を示します。

軽度、中等度の方は自然経過であっても1/3~1/2が良好な結果が期待できると
報告されています。(Ishimoto 2012)

保存療法(手術以外での治療)では5年間観察した研究で
約40%が改善し、約17%が普遍、約40%が悪化したとあります。(Miyamoto 2008)
初期治療で改善が見られた人は予後が良く、側湾がある場合は予後が悪いとも報告しています。

リハビリでは複合的に治療を行っていくことで
中期効果において腰部痛、下肢痛の軽減、長期効果では
下肢痛の軽減、歩行能力の改善が認められています。(理学療法ガイドライン)

今、下肢痛や痺れなどがある方たちの参考になれば幸いです。

引用文献
①North American Spine Society診療ガイドライン
②日本脊椎脊髄病学会
③Y Ishimoto Prevalence of symptomatic lumbar spinal stenosis and its association with physical performance in a population-based cohort in Japan: the Wakayama Spine Study Osteoarthritis Cartilage. 2012 Oct;20(10):1103-8. doi: 10.1016/j.joca.2012.06.018. Epub 2012 Jul 10.
④Hiroshi Miyamoto Clinical outcome of nonoperative treatment for lumbar spinal stenosis, and predictive factors relating to prognosis, in a 5-year minimum follow-up J Spinal Disord Tech. 2008 Dec;21(8):563-8. doi: 10.1097/BSD.0b013e31815d896c.