(2021年11月10日 16:47)(外来リハビリブログ)
こんにちは!北星病院外来リハビリ班です。
本日のテーマは『転倒恐怖感』です。
これから冬が近づき、外に出ると転びそうで
怖いから外出が減るといった声を毎年、耳にします。
特に北海道は11月〜3月ごろまで雪があって
半年弱ほど外出に制限がかかります。
外出に制限がかかると活動量が制限されて
運動不足による筋力の低下で
冬が明ける頃に転ばれる方も少なくありません。
今回は転倒に対する不安が何によって起こり
どのようにすれば予防・改善できるのか、不安のために活動量が低下し冬の間に弱らないで
転倒リスクを軽減させて要介護状態にならないように、ということを
目的にやっていきます。
そもそもが、身体機能が低下していると転倒恐怖感が増加します。(Keitaro Makino 2021)
また、身体に痛みがある状態でも転倒恐怖感が増加すると言われています。(古賀 2014)
身体機能や痛みは治療が必要であり、スグに改善することは難しいです。
そこで「自己効力感」というものが鍵となってきます。
自己効力感とは
自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること(wikipedia)
とされています。
自己効力感が高い人は運動量も維持・改善されると言われています。(前場 2012)
なので自然と体を動かしやすく、身体機能が低下しにくい状態だということになります。
自己効力感重を上げるために
転倒の恐怖感を克服するためには
家の中のあそこは歩いても大丈夫だ
外の公園は大丈夫だと自分の中で確信することが大事になります。
しかし、思い込みだけで自己効力感を上げるのは難しいので
一つ、一つこれはできるんだということを経験することが重要になります。
具体的には、一度転倒し自信がなくなっている人がいるとします。
いきなり、外を歩いて買い物にいくのは怖いとなっているとします。
その場合は、まず家の中でも簡単な段差の無い居間の中を歩いて大丈夫と確認すること。
次に、家の中の段差があるところを試すこと。
その次に外を歩いてみるなど段階を踏んで自信をつけていくことが必要になります。
本人一人では、段階を踏んで解決していくことも
難しいので周りのご家族や友人の協力も重要となってきます!
引用文献
①Keitaro Makino Prospective Associations of Physical Frailty With Future Falls and Fear of Falling: A 48-Month Cohort Study Phys Ther. 2021 Jun 1;101(6):pzab059. doi: 10.1093/ptj/pzab059
②古賀 高齢骨折患者における転倒恐怖感に影響する要因の検討 日職災医誌,62:23─26,2014
③前場康介,竹中晃二.高齢者における運動セ ルフ・エフィカシーの情報源および運動変容 ステージとの関連.行動医学研究 2012; 18 (1):12-18.