(2021年9月25日 13:15)(外来リハビリブログ)
こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。
寒くなってきましたね!
徐々に気温が下がり、冬が近づいている感じがします。
これからの季節は特に転倒に気をつけたいですね。
特に高齢の方は骨が脆くなったりすることで、転倒した際に骨折しやすいことがあります。
また、寒くなり低気温になると路面が凍ったりして普段より転倒しやすくなってしまいます。
高齢者の転倒危険因子には筋力低下、バランス障害、認知障害などがあります。
(Guideline for the Prevention of Falls in Older Persons.2001)
今回は筋力低下に注目してやっていきたいと思います。
転倒と筋力に関して、特に脚の筋力に関係があることが多数報告されています。
また、年齢と共に筋力は落ちていくと言われています。
特に、腕や体幹よりも脚の筋肉量の低下が早期(20歳ごろ)に起こり、20歳と80歳を比較すると脚の筋肉量は約30%の減少が見られています。(谷村 2010)
更に転倒しやすい人は脚に力を入れようとしても、実際に力が入るのが遅いと言われています。(大屋)
すなわち、つまづいてすぐに次の足を出そうとしても出せなくて転倒につながってしまうということですね。
ちなみに、それを改善するためには筋力トレーニング(特に早く動かすもの)が有効であると報告されています。(Tracy BL, 2004)
CS-30というテストがあります。
高さ40cmの椅子から30秒間で何回立ち上がれるか?というテストです。
これを行うことで、身体機能としては脚の筋力と、どれだけ早く動けるかを見ることができます。
転倒には脚の筋力と、どれだけ早く動けるかが関係します。
安全を確保して行ってみてください。
基準は14,5回以上になります。(川端 2008)
また、CS-30はテストだけでなく実際に運動にもなりますのでオススメです!
引用文献
①American Geriatrics Society,British Geriatrics S o c i e t y, A m e r i c a n A c a d e m y o f O r t h o p a e d i c Surgeons:Guideline for the Prevention of Falls in Older Persons.J American Geriatrics Society 49:664-671,2001
②谷村 日本人筋肉量の加齢による特徴 日本老年医学会雑誌 47:52-57,2010
③大屋 地域在住高齢者の易転倒性と膝伸展筋力に関する研究 老年医学会雑誌第45巻3号
④Tracy BL, Byrnes WC, Enoka RM: Strength training reduces force fluctuations during anisometric contractions of the quadriceps femoris muscles in old adults. Journal of Applied Physiology 2004; 96: 1530―1540.
⑤川端 地域在住高齢者における転倒予測テストとしての CS-30の有用性 理学療法科学 23(3):441–445,2008