自粛生活で増加?肩こりの話

(2021年6月10日 10:00)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回のテーマは自粛生活で増加?肩こりの話です。

元々、日本人は症状を自覚して病院を受診する中で
女性の1位が肩こり、男性も2位となっています。(国民生活基礎調査 )

新型コロナウイルスによる自粛生活や在宅ワークの関係で
会社のデスクではなく自宅のテーブルなどでパソコンを使用する時間が
増加し肩こりを感じている人が多くいます。

肩こりを改善するためには環境的に目線の高さとパソコンの画面を
揃えるためにPCスタンドとワイヤレスキーボードなどで環境調整をすることも
重要になってきます。

また、身体の状態としても特に女性では体幹の筋肉が少ないほど
肩こりと関係していると報告されています。(加藤 2019)
また、歩くことが少ないほど肩こりに関係するとも報告されています。(新井 2005)

在宅勤務で通勤がなくなり歩くことがなくなった人は空いた時間に散歩することは
リフレッシュになるとともに肩こり予防にもオススメですね!

以下に簡単にできる体幹ストレッチや筋トレをご紹介します。

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ダイエット後のリバウンドに関して

(2021年6月 9日 15:43)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回はダイエット後のリバウンドに関してです。
減量・ダイエットに関しての前回の記事も参照ください。

https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/05/post-330.html

せっかく痩せたのにリバウンドしては元も子もありません。
なのでしっかりとリバウンドしないように行動していく必要があります。
色々な研究からどうなったらリバウンドしてしまうかの報告があります。
ダイエット、減量を行っていく中で
体重を落とすと脂肪も落ちますが筋肉の量も少なからず減少していきます。
そこが大きな問題となってきます。

ダイエット後に8週間の自由な食事を行うと徐々に脂肪量も筋肉量も増加していくのですが
脂肪量の増加が止まる時のポイントとして
『ダイエット前と筋肉量が同じになった時』となっています。(Dulloo 1997)
更に、ダイエット後のリバウンドには、脂肪量の減少の他に
筋肉量減少が関与しているとも報告されています。(Turicchi J, 2019)

なので上記の研究からもダイエットにて筋肉量を減少させすぎるような
ダイエットではリバウンドしやすいということになります。
なのでリバウンドしないためにはできるだけ筋肉量を落とさないで
脂肪のみを落としていく必要があります。

脂肪のみを落として維持していく方法として以下のような研究があります。
有酸素運動(ランニングなど)のみvs筋トレvs有酸素運動+筋トレvs食事指導のみの比較で
3年間観察しどのくらいの体重と脂肪量のリバウンドがあったのかを調べています。
結果として有酸素運動+筋トレが他よりも体重も脂肪量もリバウンドしづらいといった結果を報告しています。(Rojo-Tirado MÁ, 2021)
しかもショッキングなことに3年後に有酸素運動のみでは元の脂肪量に戻っていることも報告されています。
この結果からもダイエット後のリバウンド防止には有酸素運動と『筋トレ』も必ず行なっていくことが必要になってきます。
ちなみに行なっていた運動はベンチプレス、スクワット、腕の個別の筋肉の筋トレなどです。

ウォーキングやランニングと一緒にスクワットや腕立てなどの筋トレもしっかりやっていきましょう!

引用文献
①Dulloo AG, et al. Poststarvation hyperphagia and body fat overshooting in humans: a role for feedback signals from lean and fat tissues. Am J Clin Nutr.
  1997;65(3):717‐723
②Jake Turicchi Associations between the rate, amount, and composition of weight loss as predictors of spontaneous weight regain in adults achieving
  clinically significant weight loss: A systematic review and meta‐regression. Obes Rev. 2019 Jul;20(7):935-946.
座りがちな人も運動で痛みを改善!?

(2021年6月 6日 10:00)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回は『座りがちな人も運動で痛みを改善!?』というテーマでやっていきます。
北海道は緊急事態宣言の影響もあり、いつにもまして自宅内にいる時間が増えていると
思います。

コロナ前と比較して2時間ほど動画視聴の時間が増加したとのニュースもありました。
余暇時間を動画を見て過ごすことも良いのですが座りすぎでは運動不足になって肥満などの
生活習慣病のリスクも増加してしまいます。

でも、いきなり運動して身体が痛くならないか?という不安はないでしょうか?
そんな不安を解消するための研究を紹介いたします。

座りがちな男性女性約50人ずつ2つのグループに分かれて
運動をするグループvs通常の生活をして過ごすグループの比較を行いました。
またこの研究での参加者は40~75歳までの肥満や過体重の人たちです。

運動の内容としては
中程度〜高強度の有酸素運動を週に6日、1日60分です。
種類としては週に3回エアロバイクなど、もう3回はランニングやウォーキングとなっています。
それを12ヶ月観察しています。

12ヶ月後の結果としては元々の生活をしている人たちは体の痛みが増加していると
いった結果となりました。

なので多少肥満傾向な方でも運動をして身体の痛みが出るか?というと
実は運動をしていない方が身体の痛みが増加すルことがわかります。

まずは簡単なウォーキングからやってみてはいかがでしょうか?

以前の運動に関しての記事もご覧ください。

運動不足に関して
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/06/post-332.html

減量に関して
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/05/post-330.html


参考文献
Kristin L. Campbell Injuries in Sedentary Individuals Enrolled in a 12-Month, Randomized, Controlled, Exercise Trial J Phys Act Health. 2012 Feb; 9(2): 198–207.
筋トレでケガが予防される!?

(2021年6月 4日 17:10)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

本日のテーマは『筋トレでケガが予防される!?』です!

結論から申し上げますと
筋力トレーニングによってスポーツでの怪我は1/3になると報告されています。(Jeppe Bo Lauersen 2014)

一般的なイメージや患者様から質問頂くことがありますが
筋トレすると身体が重く、硬くなってケガしやすくなるんじゃないの?と聞かれます。
しかし、以外な結果が研究で明らかになってきます。

ストレッチvs筋力トレーニングvs固有受容器トレーニング(バランスボールに乗ったり不安定なところでバランスを取るような訓練です)
上記の3つで比較した結果…

筋力トレーニング>固有受容器トレーニング>ストレッチ

の結果で
特に筋力トレーニングが急性のケガ、慢性のケガともに軽減すると報告されています。

なので筋力トレーニングをして運動のパフォーマンスを上げるといった効果だけでなく
ケガの確率も減らすことができます。決して体が固まってケガしやすくなるといったことは
ありませんので安心して筋トレしましょう!


引用文献
①Jeppe Bo Lauersen The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials .Correspondence to Jeppe Bo Lauersen, Institute of Sports Medicine Copenhagen, Bispebjerg Hospital, Building 8, 1. Floor, Bispebjerg Bakke 23, 2400 Copenhagen NV, Sealand 2400, Denmark.
解消しよう!コロナ禍での運動不足に関して

(2021年6月 4日 15:56)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回のテーマは解消しよう!コロナ禍での運動不足に関してです。
北海道も緊急事態宣言の影響でテレワーク増加での通勤での運動量の減少や
お出かけできずに自宅にいる時間が長くなり運動不足になる方も多いのではないでしょうか?

日常的に運動を行なっていくことで心疾患や高血圧、生活習慣病、メンタルヘルスなどの
改善にも効果があると報告されています。
高齢者の方にも寝たきりの予防にもなることが報告されています。

具体的に、どのくらい(週に何回など)運動したら良いのか?
というような疑問が出てくるかと思います。

どのくらい運動したら良いの?の
結論としては
ずっと家にいないで外に出る日を週に5日以上、筋トレは週に2,3回程度は必要となります。

以下に根拠を示します。

アメリカスポーツ医学会ガイドラインでは
成人では『ややきつい』と感じる運動を30分、ほぼ毎日が推奨されています。
また、高齢者では『ややきつい』と感じる運動を
有酸素運動(ジョギングやランニング)で週5日程度
筋トレや柔軟体操は週に2回程度が推奨されています。(久保山 2020)

別の報告では
筋トレを週に2,3回行うことで病気による死亡率を23%減少させるといったこともあります。(Dankel SJ, 2016)

有酸素運動では推奨されている頻度は多いですが常に自宅に篭りきりにならずに
日常生活で買い物や通勤時、用事を足しにいくことなどがあれば代用できるのではないでしょうか?

今回の内容で1番大事なこととしては運動の強さは前述したように主観的に『ややきつい』を
目標にすることで安全に運動できるかなと思います。
1日に絶対に何km歩くぞ!や筋トレを何十回必ずやる!と設定することも悪いことではないのですが
自分が今どのように感じるかで身体に負荷をかけすぎないで無理なく運動を継続できるのではないでしょうか。

参考文献
①U.S. Department of Health and Human Services: Physical Activity and Health. A Report of the Surgeon General, International Medical Publishing, 1996
②厚生省保健医療局健康増進栄養課: 健康づくりのための年齢・対象別身体活動指針,1997
③久保山 高齢者の健康づくりにおける 低強度運動の有効性について 大阪商業大学論集 第15巻 第3号(通号194号)
④Dankel SJ, et al. Dose-dependent association between muscle-strengthening activities and all-cause mortality: Prospective cohort study among a national sample of adults in the USA. Arch Cardiovasc Dis. 2016 Nov;109(11):626-633.