北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中21

(2020年12月21日 16:51)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

本日は朝練です。
テーマは不安定性での腰痛です。

一般向けのテレビでも体幹筋を安定させて
パフォーマンスを上げよう!というような
事も見られると思います。
では不安定性とは?不安定な状態とは?
ということですが
簡単なテストの1つでは
前に屈んだ状態からまっすぐ立った姿勢に
戻る際に腰痛が出現し
思わず膝に手をついてしまう動きがあります。
20201221外来1.jpeg 20201221外来3.jpeg

その他にも色々な検査を行った上で運動を指導していきます。

運動の例としてはバードドックというものがあります。
20201221外来4.jpeg
四つ這いになって片手、片足をあげて
数十秒耐える運動です。

腕と足・背骨が一直線になるように止めて、
体幹の安定性を高めていきます。

はじめから上手に行うのは難しい練習ですので、
腕だけで行ったり、足だけで行うと、負荷が調整できます。

腰が痛くなったり、倒れてけがをする恐れのある方
ご注意ください。


腰痛で、お困りの方は是非ご相談ください!
冬に向けて転倒を予防しましょう!⑤

(2020年12月16日 15:26)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回はサルコペニアを
改善していくための実践編です。


前回記事はこちら↓
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/index.html

では運動実施においての考え方ですが、

強度:最大挙上重量(1RM※)の80% 以上

セット数・挙上回数:2~3セット・8~12回セット

頻度:週 3 回 ・期間:3 カ月以上

ということになります。
※1RMとは全力でやっと一回できることです。

上記のやり方で筋肉が太くなりサルコペニアの
改善になると報告されています。

セット数や頻度はご自宅でも実践できるのですが
1RMは病院等で測定しなければなりません。(機械を用いて測定します)

しかも重たすぎる運動の負荷では関節が痛くなったり
上手くできなかったりと問題もあります。

なので重たい負荷の代わりに
沢山回数を行う必要があります。


具体的にどの程度の回数を行う必要があるかというと
8~12回を12セット以上行うと
重たい負荷と同程度の効果が得られると言われています。


なので例として合計すると
10回×12セット=120回 を1日にこなす必要があります。


それを最低でも3ヶ月以上続ける必要があります。


また12週間しっかり運動してついた筋肉が
12週間休むと半分になり
24週間休むとほぼ消失すると言われています。


なので自分が健康でいるためには運動をやめるタイミングは
無いと思いますので頑張りましょう!

最後におすすめの軽い運動を紹介させていただきます。

簡単な足の上げ下ろしですが
体幹も意識して120回やるとかなりキツイです。
20201216外来1.jpeg


参考文献
①宮地 他 サルコペニアに対する治療の可能性: 運動介入効果に関するシステマティックレビュー
②Zech A, Drey M, Freiberger E, Hentschke C, Bauer JM, Sieber CC, et al.: Residual effects of muscle strength and muscle power training and detraining on physical function in community-dwelling prefrail older adults: a randomized controlled trial. BMC Geriatr 2012; 12: 68.
③市橋 他 臨床理学療法領域におけるコア・パラダイム* ─筋力トレーニングにおけるパラダイムシフト─ 理学療法学 第 42 巻第 8 号 695 ~ 696 頁(臨20床15理年学)
冬に向けて転倒を予防しましょう!④

(2020年12月15日 16:42)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回はフレイルの中のサルコペニアという状態に関してです。
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フレイルに関しての記事は下記になります。
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/11/post-282.html
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/12/post-283.html
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/12/post-283.html

サルコペニアとは
ギリシャ語の造語で
サルコ:筋肉+ペニア:喪失
=サルコペニア:握力や下肢・体幹筋などの全身の筋力低下+歩行速度の低下や杖が必要になる状態
と定義されています。

簡単にいうと筋力が低下し痩せている状態で
転倒しやすい状態ということになります。

では、どの位転倒のリスクが増加するかというと・・・
国内の研究でサルコペニアの人は正常な人と比較すると
約1,8倍転倒しやすいという報告があります。

なので予防していかないと
転倒→骨折→寝たきりに…
なんていうことにならないようにご自身の状態をチェックしていきましょう。

こんなフローチャートになっています。
20201215外来4.jpeg


ですがもっと簡単な方法もありますので
見ていただければと思います。
①指わっかテスト(筋肉がしっかりついているか)
20201215外来3.jpeg


ご自身の指でふくろはぎの1番太いところを握ってもらって
隙間がどの程度できるか?というものです。
筋肉が無く細い状態かどうかです。
隙間が空いてしまう人は要注意です。

②かた足立ちテスト+5回立ち座りテスト(どの程度バランスや力を発揮できるか)
20201215外来2.jpeg

片脚で立ち何秒たっていられるか?です。
ご自宅等で行われる場合は転倒の危険もあるため
すぐつかまれるところで行ってください。

10秒以上保っていられれば大丈夫です。

5回立ち座りテストは
椅子から座った状態で開始し5回立って
座ってを繰り返し行い何秒かかるか?
というテストになります。

8秒未満であれば大丈夫です。
20201215外来1.jpeg

上記の3つのテストは
日頃のご自身の身体の状況を
チェックしていくこともできますでの1ヶ月に1回程度
行うことを推奨します。

次回はサルコペニアを改善するためにどうするか?
についてやっていきます!

参考文献
①Yamada M, et al. Prevalence of sarcopenia in community-dwelling Japanese older adults. J Am Med Dir Assoc. 14(12); 911-915, 2013.
通所リハビリブログ㊴ 介護職員勉強会 口腔体操

(2020年12月14日 11:45)(通所リハビリブログ)

 
こんにちは!
北星病院通所リハビリ広報部です!
 
寒い日が続いていますね、、、暖房が欠かせない日々になってきました(;’∀’)
暖房をつけるとどうしても部屋が乾燥してきてしまうため、我が家では加湿器を購入しました!

今年は感染対策として購入されている方も多いそうですね!
 
 
通所リハビリでは介護職員の技術向上のために、毎月勉強会を実施しています!
そこで今回は勉強会の様子をお伝えさせていただこうと思います!
 
20201214口腔体操①.JPG
 
今回のテーマは口腔体操についてということで、言語聴覚士の安富が講師となり
口の機能や口腔体操の効果などについて説明しました!
 
20201214安富さんスライド①.png 20201214安富さんスライド②.png

口腔体操をすることによって唾液の分泌が促進され、口の中を清潔に保つことができたり、
発音がはっきりすることで自然と表情が豊かになったりと良いことがたくさん!
 
では口腔体操とはいったいどんな体操なのでしょうか、、、
勉強会でレクチャーしてもらった体操をいくつかご紹介させていただきます!
 
20201214安富さんスライド③.png 20201214安富さんスライド④.png
 
飲み込むときには首や肩甲骨周囲の筋肉を使っているため、はじめに首や肩のストレッチをします!

それから口の体操として口に頬を膨らませる、すぼめる動作を繰り返すことで、
唇や頬の筋肉を鍛えることができます!ポイントは一つ一つの動作を大きく行うこととのことで、早く行う必要はないそうです。
 
また、唾液の分泌を促す“唾液線マッサージ”というものがあるそうです!
 
20201214安富さんスライド⑤.png
20201214安富さんスライド⑥.png
20201214安富さんスライド⑦.png
 
特に顎下線はすべての唾液量の約60~70%を占めており、
唾液腺マッサージの中で一番唾液が出る実感が得られるとされています。

皆様もぜひお試しください!
 
通所リハビリセンターでは個別のリハビリに加えて、感染対策を行いながら、
介護職員中心に集団体操やレクリエーションも実施しています!


今回学んだ体操なども取り入れながら、ご利用者様の口腔機能を維持・向上できるように努めていきます!
 
 
以上、北星病院通所リハビリ広報部でした!

北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中20

(2020年12月11日 16:27)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

本日は朝練です。

例題として
インナーマッスルが上手く使えず
腰痛が持続している症例でした。

インナーマッスルとは
横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋から
なる体幹の奥にある筋肉で
身体を安定させたりといった働きがあります。

その中でも本日は骨盤底筋に絞って行いました。

20201211外来1.jpeg

骨盤底筋はその名の通り骨盤の底にある筋肉で身体を支えることはもちろんのこと
尿漏れなどにも関連していると言われています。

骨盤底筋が硬くなっていたりすると
骨盤底筋自体や周りの筋肉が上手く動かなくなり腰痛に影響してきます。

今回は骨盤底筋、その周辺の筋肉の触診、骨盤底筋を動かす練習を行いました。

次回も頑張ります!