冬に向けて転倒を予防しましょう!④

(2020年12月15日 16:42)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回はフレイルの中のサルコペニアという状態に関してです。
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フレイルに関しての記事は下記になります。
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/11/post-282.html
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/12/post-283.html
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/12/post-283.html

サルコペニアとは
ギリシャ語の造語で
サルコ:筋肉+ペニア:喪失
=サルコペニア:握力や下肢・体幹筋などの全身の筋力低下+歩行速度の低下や杖が必要になる状態
と定義されています。

簡単にいうと筋力が低下し痩せている状態で
転倒しやすい状態ということになります。

では、どの位転倒のリスクが増加するかというと・・・
国内の研究でサルコペニアの人は正常な人と比較すると
約1,8倍転倒しやすいという報告があります。

なので予防していかないと
転倒→骨折→寝たきりに…
なんていうことにならないようにご自身の状態をチェックしていきましょう。

こんなフローチャートになっています。
20201215外来4.jpeg


ですがもっと簡単な方法もありますので
見ていただければと思います。
①指わっかテスト(筋肉がしっかりついているか)
20201215外来3.jpeg


ご自身の指でふくろはぎの1番太いところを握ってもらって
隙間がどの程度できるか?というものです。
筋肉が無く細い状態かどうかです。
隙間が空いてしまう人は要注意です。

②かた足立ちテスト+5回立ち座りテスト(どの程度バランスや力を発揮できるか)
20201215外来2.jpeg

片脚で立ち何秒たっていられるか?です。
ご自宅等で行われる場合は転倒の危険もあるため
すぐつかまれるところで行ってください。

10秒以上保っていられれば大丈夫です。

5回立ち座りテストは
椅子から座った状態で開始し5回立って
座ってを繰り返し行い何秒かかるか?
というテストになります。

8秒未満であれば大丈夫です。
20201215外来1.jpeg

上記の3つのテストは
日頃のご自身の身体の状況を
チェックしていくこともできますでの1ヶ月に1回程度
行うことを推奨します。

次回はサルコペニアを改善するためにどうするか?
についてやっていきます!

参考文献
①Yamada M, et al. Prevalence of sarcopenia in community-dwelling Japanese older adults. J Am Med Dir Assoc. 14(12); 911-915, 2013.
通所リハビリブログ㊴ 介護職員勉強会 口腔体操

(2020年12月14日 11:45)(通所リハビリブログ)

 
こんにちは!
北星病院通所リハビリ広報部です!
 
寒い日が続いていますね、、、暖房が欠かせない日々になってきました(;’∀’)
暖房をつけるとどうしても部屋が乾燥してきてしまうため、我が家では加湿器を購入しました!

今年は感染対策として購入されている方も多いそうですね!
 
 
通所リハビリでは介護職員の技術向上のために、毎月勉強会を実施しています!
そこで今回は勉強会の様子をお伝えさせていただこうと思います!
 
20201214口腔体操①.JPG
 
今回のテーマは口腔体操についてということで、言語聴覚士の安富が講師となり
口の機能や口腔体操の効果などについて説明しました!
 
20201214安富さんスライド①.png 20201214安富さんスライド②.png

口腔体操をすることによって唾液の分泌が促進され、口の中を清潔に保つことができたり、
発音がはっきりすることで自然と表情が豊かになったりと良いことがたくさん!
 
では口腔体操とはいったいどんな体操なのでしょうか、、、
勉強会でレクチャーしてもらった体操をいくつかご紹介させていただきます!
 
20201214安富さんスライド③.png 20201214安富さんスライド④.png
 
飲み込むときには首や肩甲骨周囲の筋肉を使っているため、はじめに首や肩のストレッチをします!

それから口の体操として口に頬を膨らませる、すぼめる動作を繰り返すことで、
唇や頬の筋肉を鍛えることができます!ポイントは一つ一つの動作を大きく行うこととのことで、早く行う必要はないそうです。
 
また、唾液の分泌を促す“唾液線マッサージ”というものがあるそうです!
 
20201214安富さんスライド⑤.png
20201214安富さんスライド⑥.png
20201214安富さんスライド⑦.png
 
特に顎下線はすべての唾液量の約60~70%を占めており、
唾液腺マッサージの中で一番唾液が出る実感が得られるとされています。

皆様もぜひお試しください!
 
通所リハビリセンターでは個別のリハビリに加えて、感染対策を行いながら、
介護職員中心に集団体操やレクリエーションも実施しています!


今回学んだ体操なども取り入れながら、ご利用者様の口腔機能を維持・向上できるように努めていきます!
 
 
以上、北星病院通所リハビリ広報部でした!

北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中20

(2020年12月11日 16:27)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

本日は朝練です。

例題として
インナーマッスルが上手く使えず
腰痛が持続している症例でした。

インナーマッスルとは
横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋から
なる体幹の奥にある筋肉で
身体を安定させたりといった働きがあります。

その中でも本日は骨盤底筋に絞って行いました。

20201211外来1.jpeg

骨盤底筋はその名の通り骨盤の底にある筋肉で身体を支えることはもちろんのこと
尿漏れなどにも関連していると言われています。

骨盤底筋が硬くなっていたりすると
骨盤底筋自体や周りの筋肉が上手く動かなくなり腰痛に影響してきます。

今回は骨盤底筋、その周辺の筋肉の触診、骨盤底筋を動かす練習を行いました。

次回も頑張ります!
冬に向けて転倒を予防しましょう!③

(2020年12月 9日 18:04)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

前々回記事(身体的フレイル)
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/11/post-282.html
前回記事(社会的フレイル)
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/12/post-283.html
是非ご参照ください。

3つのフレイルの内、今回は精神的フレイルに関してです。
20201209外来1.jpeg

精神的フレイルの定義は確定したものは
ないですが近いものとして島田らの研究報告では
身体的フレイルに該当した上で気分の落ち込みがある方を心理的フレイルとしています。

心理的フレイルに該当していく特徴としては
男女の差は無く年齢が上がるにつれ頻度が増加してくことです。

また、将来要介護認定を受ける確率として
フレイルでは無く気分の落ち込みもない人と比べると
心理的フレイルの人は2.24倍も確率が上がると報告されています。

(身体的フレイルだけの人は1.6倍)

また、生活状況や環境をチェックすると
習い事に行っていないこと
野外作業やガーデンニングを行っていないことも
心理的フレイルになってしまうリスクと
関係しているとの報告もあります。

社会的フレイルと共通することがあり
やはり引きこもりがちにならずに
外に出て他者との交流や何か身体を動かして
活動するといったことがフレイルになりづらい
生活習慣ではないかと思います。

次回からは身体の機能に絞って
転倒予防できるような内容にしていきますので
よろしくお願いいたします。

参考文献
①島田 日本における心理的脆弱性の有病率 Journal of clinical medicine. 2019 Sep 27;8(10) E1554.
北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中19

(2020年12月 8日 10:07)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です!

本日は腰部脊柱管狭窄症についてです。

脊柱管狭窄症とは、加齢に伴い、椎間板が薄くなることや
背骨の変形が進むことで脊柱管という神経を囲んでいる管が狭窄する疾患のことを言います。


主な症状は間欠性破行といい、長時間歩くと下肢に痺れや痛みが出現し、
休むと回復するといった特徴があります。

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また、背中を反ったりすると脊柱管内の神経や血管が狭窄されますので、
下肢へ痺れや痛みを伴ってきます。


一方で下肢への痺れや痛みは腰部以外の影響も多々あります。

本日の朝練では腰部からの神経症状の影響とその他の影響の
鑑別方法や治療方法の練習を行いました。



実際のリハビリでも医師の指示の下で丁寧に原因を探し出し、
患者様へわかりやすい説明をしたのち、運動療法に移行します。


もし、歩いたり立ったりしていると、下肢へ痺れや痛みが出る方がおりましたら、
是非一度ご相談下さい。


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